FEATURE

JACQUELINE RABUN
クリエイションの原点への旅

JACQUELINE RABUN(ジャックリーヌ・ラバン)がロンドンで自身のジュエリーブランドを創業したのは1990年のこと。その後ほどなくして、アッシュ・ぺー・フランスで彼女のクリエイションを紹介し、ほかにはないデザインに共感が集まり、アッシュ・ぺー・フランスの代表ブランドとして存在感を発揮。

アフリカ系アメリカ人のルーツを持つジャックリーヌは、スキンジュエリーのように官能的で親密なデザインを生み出す。ジョージ ジェンセンとのコラボレーションは1999年から始まり、その間建築家との活動など多彩な領域でデザインに取り組むジャックリーヌ。時として自身の活動を休止し、制作のリズムは常に彼女が豊かにものづくりに没頭できるタイミングで生み出される。

 

2019年9月2 0日(金)に17周年を迎える「H.P.FRANCE BIJOUX(アッシュ・ぺー・フランス ビジュー)」は、秋冬のコンセプトとしてジュエリーそのものの普遍性やパーソナルな存在価値にフォーカスし、愛を伝えるものとして今一度ジュエリーの根源について紹介をしてゆく。

そんな中、彼女が本格的に活動を再開してくれたことは、私たちの原点回帰ともつながるのではないかと思う。

新作の“BLACK LOVE”は、変換と変遷を意味する二つの種が一緒になり、ひとつのハートになるというストーリー。取り替え可能なものと、移り変わるもの。それらがひとつになることで永遠になる。人は不完全で有限だからこそ美しいというメッセージにも感じられる。モダンアートの彫刻のような立体感と圧倒的なコンセプト。そぎ落としたミニマリズムの中に生み出されるデザインの美しさに心奪われる。

そして、彼女が初めて自身のコレクションをスタートした年の“1990”と名づけられたファーストコレクションの名作たち。スターリングシルバーを打ち付けたシンプルなハンドメイドのチェーンのブレスレットや、持ち主の魂が宿るような美しいシェイプの装飾を抑えたリング。

彼女のプロフィールの最初の文章:

“Illustrating the human experience through the medium of jewellery(人としての経験をジュエリーというメディアを通して描く)”

という説明に直結するように思う。

ロンドンのインテリアデザイン事務所STUDIOMAMAとのコラボレーションの“A LINE OF LOVE”は一本のメタルを持ち主が自分でオリジナルバングルに変化させて身につけるパーソナルなジュエリー。持ち主の手に渡り初めてデザインが完成する。どの作品も彼 女の思想とジュエリーへの愛が溢れている。そして全てコンセプト、ストーリー、デザインが一体となっている。

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